2010年07月30日(金)
第二回 四万十川カッパ造形大賞と牧野先生 [日々日]
牧野圭一先生は四万十川カッパ造形大賞の審査委員長です。
四万十川カッパ造形大賞は、マンガ家牧野先生の河童への情熱と、私との友情によって生まれた企画であります。ながい間河童文化の普及に努力されてこられたあくなき追求心の賜物といえるでしょう。
㐧一回の昨年の表彰状には、一枚一枚牧野先生の手書きのかっぱ絵を描いて頂いた貴重なものでした。今年も審査委員長として、四万十町の予備審査会場から、ワンダーフェスティバルの幕張メッセの会場まで、すべての審査を担当して頂きました。
そこで牧野先生の㐧二回四万十川カッパ造形大賞の総評を転載させて頂きまして、作品に対する先生の熱い思いを汲みとって頂ければ幸いです。
「審査会場で一体一体、丁寧に梱包を解かれたカッパ達は、机上に置かれた瞬間から、静かな戦いを始めます。475体の魅力的な作品は、呼び名は同じ「カッパ」であっても皆、作者の意図や性格を反映し、代弁しながら自己主張をしています。選考委員はカッパの集団が生み出す濃密な空気と迫力を全身に感じながら審査を致しました。会場を何遍も何遍もぐるぐる回っての、緊張した作業です。この空気を和らげてくれたのが、今年採用された四万十町町民の方々の選考。「おかあさん!ボクはあのカッパがいい!!」「私は、あの奥のかわいいカッパにする!」と、小学生の声が飛び交います。高齢の参加者も「やあ!よくこんなに立派な作品が集まったねえ!」と、驚きの色を隠しません。「美術教育はこうした取り組みをお手本にしなくてはなりませんね」と、一人一人自由な発想であっても、結果として到達した完成度の高い作品に接し、ご自分の教育論と重ね合わせて、熱っぽく語ってくださった先生もいらっしゃいました。
ここではプロの作品も、小学生の“ゆるキャラ”型の作品も、わけ隔てなく選考の対象になります。無論、専門家の緻密な作業が高く評価されることは当然であります。しかし、作者の意図や想いが、その造形感覚と調和して、《昇華》を果たしていると判断されたカッパには、年齢や手作業の《上手下手》を飛び越えて、高い得点が与えられます。町民審査でも特定の作品が集中的に支持を受けるという結果が出ましたが、直感的に《昇華》の魅力を感じ取った結果であると受け止めています。
同じ傾向の作品はそのジャンルのトップが選ばれると、2位以下のものは最終選考から外れてしまうということもありましょうが、限られた賞の中での戦いは熾烈を極めます。その分、受賞された方々はご自分の作品を誇りにしてください。
宮脇修館長は、「応募されたお一人お一人に魅力的な物語がある」と選考会場でため息をし、「これは時間が掛かっても、その物語を自分のペンで表現したい」と決意をのべられました。《賞》とは別に、私たちは作者それぞれの《物語》をこそ大切にしたいと、改めて深く頷き合ったのでした。論より証拠、展示会場で立体作品に会い、ご自分の目でしっかり確かめ、全体が生み出すオーラを直接肌で感じ取ってください。
以上は審査委員長の総評ですが、ワンダーフェスティバル会場では、先生のお話はすばらしいもので受賞者だけではなく、式に参加された多くの人々に感銘を与えられました。
授賞式に参加して下さいました姫路博物館の香川雅信さんは、「河童ブームの兆しを感じますね」と力づよく話されました。わたしもなぜか河童ブーム到来を肌で感じるようになっていますので、河童フィギュアが、日本の新しい文化と知れ始まるような気がしています。
牧野先生が長い間、河童を描かれたり、河童フィギュアを自ら制作されて来られたひたむきな思いが、四万十川カッパ造形大賞で現実のものとなりました。多くの河童作品たちがカッパ館で永久保存展示されれば、未来へと受け継がれていくのです。
全国各地には、多くの河童伝説があります。次の四万十川カッパ造形大賞までには、少しでも河童の勉強をしなければと思っています。これからも珍しい、楽しい、愉快な河童たちが寄せられるものと期待しています。
牧野先生本当にご苦労さまでした。心から感謝申し上げます。次はより充実した四万十川カッパ造形大賞にしたいと、思い巡らせていますので、これからもよろしくご指南下さい。
Posted at 2010年07月30日(金) 10:00 コメント ( 1 )
コメント
館長と牧野先生の先導により始まった「河童の縁」が
さまざまな形になってきていますね。
実にすばらしいです。当方のカッパ2体は、27日から夏休み中、高知県庁前の高知市民図書館・子ども室に展示されています。
その展示方法は、ただ、並べるだけでなく、館の入り口から、子ども室の入り口のデコレーション、そして「河童関係の本」の展示など、とても楽しい内容になっています。
夏休み終りまで、集められている「河童はなぜ、泣いているのでしょうか?」のコメントが、企画の充実を物語っていくことでしょう。
カッパの夏は、まだまだ続きます。
※8月5日(木)のテレビ高知の夕方のニュースで、当方の今年の「河泊祭」が特集で、放映されるようです。







